Mach32 用 X サーバについての注意書き Bryan Feir (jenora@istar.ca) 2 July 1997 The X Japanese Documentation Project 14 January 1999 ____________________________________________________________ 目次 1. サポートしているカード、RAMDAC, BPP 2. XF86Config のオプション 3. 既知の問題とバグ報告について 4. 日本語訳について ______________________________________________________________________ 1. サポートしているカード、RAMDAC, BPP Mach32 用 X サーバが基本的にサポートしているのは、8bpp, 80MHz までの ドットクロックです。現在 15/16bpp をサポートしているのは、たくさん RAMDAC の内 3 つだけです。ただし、一般に普及しているカードはだいたいこ の3つに含まれています。 RAMDAC 最大ドットクロック BPP 最大解像度 必要なビデオ RAM -------- ------------- --- -------------- ------------------ Default 80MHz 8 1280x1024i 2Mb Default 80MHz 8 1024x768 1Mb ATI68875 135MHz 8 1280x1024 2Mb ATI68875 80MHz 16 1024x768 2Mb AT&T20C49x 80MHz 8 1024x768 1Mb AT&T20C49x 40MHz 16 800x600 2Mb BT481 80MHz 8 1024x768 1Mb BT481 40MHz 16 800x600 2Mb RAMDAC は Mach32 用 X サーバにコマンドラインオプション "-probeonly" を 付けて実行すると報告されます。また、RAMDAC を XF86Config ファイル中で 指定することもできます。 ATI68875 (または TLC34075)は、Graphics Ultra + と Graphics Ultra Pro で使われています。Brooktree 481 は Graphics Wonder 系のカードの大部分 で使われています。AT&T20C491 は組み立てシステムに組み込まれている OEM カードの多くで使われています。 BT481 と AT&T20C49x は 16bpp モードでは異なる設定が必要なのですが、 困ったことに BIOS による検出では、両者は同じものとして扱われてしまいま す。SuperProbe は両者を区別することができ、どちらを検出したかレポート します。サーバ内部では、BT481 がデフォルト値として扱われます。カードに AT&TC49x RAMDAC が載っている場合は、XF86Config ファイルに後述の Ramdac エントリを記述する必要があります。 2. XF86Config のオプション Mach32 用 X サーバでは "Device" セクションで指定するオプションがいくつ かサポートされています。ほとんどのオプションは必要に応じて自動検出され ますが、慎重に設定してやらなければならないオプションもあります。例え ば、 "Clocks" エントリは最初に -probeonly オプションをつけてサーバを起 動した後に必ず設定しなければなりません。これは、それ以降の X サーバ実 行時に検出をしなくてすむようにするためです。 Option "composite" このオプションはコンポジット同期信号を必要とするモニタのために、 コンポジット同期信号の設定を行います。 Option "dac_8_bit" このオプションは RGB 値ごとに8ビットを使えるようにします。このオ プションは全ての RAMDAC で動作するわけではない点と、Mach32 その ものではサポートしていない機能だとされている点に注意してくださ い。 Option "ast_mach32" このオプションは AST 版の Mach32 カード(AST のマザーボードのオン ボードで搭載されているもの)を扱うための特殊な設定を行います。こ のカードではこのオプションを使わないとシステムが固まってしまいま す。 Option "intel_gx" このオプションは、メモリアパーチャアドレスに Intel GX Pro がハー ド的に持っている値を設定します。これは Membase の値に 0x78000000 を設定することと同じです。 Option "no_linear" このオプションはリニアマップフレームバッファの使用を無効にしま す。これは自動検出させるべきです。 Option "sw_cursor" このオプションを使うと、ハードウェアカーソルではなくソフトウェア カーソルを使うことができます。 MemBase baseaddress このオプションはメモリアパーチャアドレスを指定します。通常、メモ リアパーチャアドレスは自動的に決められますが、一部の VESA ローカ ルバスでは、このアドレス選択はうまく動作しません。Mach32 用 X サ ーバが Segmentation fault で落ちる場合には、アパーチャアドレスを 他の位置に変更してみましょう。 Clocks clock ... このオプションはサーバが使うクロックレートを指定します。 Ramdac "type" このオプションは RAMDAC の型式を指定します。type としては以下の 値が有効です: o ati68830 o sc11483 o sc11486 o sc11488 o ims_g173 o mu9c4870 o ati68875* o bt885 o tlc34075* o bt476 o bt478 o inmos176 o inmos178 o bt481* o bt482 o ims_g174 o mu9c1880 o mu9c4910 o sc15025 o sc15026 o att20c490* o ati68860 o stg1700 o sc15021 o stg1702 o att21c498 現時点では、実際に効果があるのは [*] 印が付けられているものだけ です。 3. 既知の問題とバグ報告について 現在のバージョンの Mach32 用 X サーバには既知の問題がいくつかありま す。これを以下に示します: o 全ての RAMDAC でハイカラー範囲(16bpp と 16bpp)がサポートされている わけではありません。また、全ての RAMDAC がうまく検出できるわけでは ありません。実際、先に挙げた RAMDAC の選択肢のうちほとんどのもの は、高すぎるハイカラーモード(16bpp と 24bpp)を制限する以外には役に 立ちません。 o 16ビット文字(例: 中国語や日本語の文字集合)のサポートに関しては、文 字の一部が欠けてしまうことが知られています。この問題が修正されたと しても、もし発生するなら Option "no_linear" 付きでサーバを実行して みてください。 バグ報告は XFree86@XFree86.org に送るか、ニュースグループ comp.windows.x.i386unix に投稿してください。 $XFree86: xc/programs/Xserver/hw/xfree86/doc/Japanese/READ.Mach32,v 1.1.2.2 1999/11/26 15:23:01 hohndel Exp $ $XConsortium: Mach32.sgml /main/4 1996/10/28 04:47:43 kaleb $ 4. 日本語訳について 日本語訳は X Japanese Documentation Project が行いました (翻訳: 藤原輝 嘉 , 校正: 山下純 司 )。問題 点の指摘やご意見は藤原まで御連絡ください。原文の著作権は XFree86 プロ ジェクト社にあり、日本語訳の著作権は X Japanese Documentation Project にあります。