Linux ユーザ向けの情報 Orest Zborowski, Dirk Hohndel June 25, 1999 The X Japanese Documentation Project August 1, 1999 ____________________________________________________________ 目次 1. XFree86 をテストした Linux のバージョン 2. 前のバージョンとの互換性 3. XFree86 のインストール 4. XFree86 を動作させるには 5. ディスプレイマネージャ xdm のインストール 6. 日本語訳について ______________________________________________________________________ 1. XFree86 をテストした Linux のバージョン XFree86 は Linux のバージョン 2.0.36 と 2.2.7、および 2.3.x カーネルの 一部のバージョンでテスト済みです。 1.0 以降のバージョンでは、XFree86 を変更しなくても動作するはずです。 libc5 用と libc6 用の両方のバイナリ が用意されています。 2. 前のバージョンとの互換性 X11R6 は X11R5 から大幅に変更されていますので、XFree86-3.1 以降の共有 ライブラリは、XFree86-2.1.1 以前の古いライブラリと互換性がありません。 X11R5 のアプリケーションを実行するには、マシンのどこかに古いライブラリ を保存しておかなければいけません。古いライブラリは /usr/X386/libからど こかへ移動させることができますが、その場合は/etc/ld.so.conf は更新しな ければいけません。全ての X11R5 のアプリケーションは問題無く X11R6 のサ ーバと一緒に動作するでしょう。 X11R6.1 はX11R6 をさらに更新した版です。 マイナー番号が '1' 増加してい るライブラリもありますが、そのライブラリは X11R6 で動作するアプリケー ションと完全に互換性があるはずです。 X11R6.3 は X11R6.1 をさらに更新した版です。マイナー番号が '3' に増えて いるライブラリもありますが、そのライブラリは X11R6 で動作するアプリケ ーションと完全に互換性があるはずです。 (XFree86-1.2、XFree86-1.3 または XFree86-2.0 ライブラリにリンクされて いる)非常に古いバイナリは引き続き動作しますが、/lib/libX{11,t,aw}.so.3 から /usr/X386/lib/libX{11,t,aw}.so.3 へ明示的にシンボリックリンクを張 る必要があります。 3. XFree86 のインストール バージョン 3.0 以降、XFree86 は /usr/X11R6 にインストールされます。イ ンストールの詳しい手順は、RELNOTES で説明されています。 4. XFree86 を動作させるには XFree86 を動作させるためには 4MB の仮想メモリが必要ですが、快適に動作 させるための最低限の環境としては、多分 16MB の実記憶があったほうがいい でしょう。386 マシンの性能向上に 387 コプロセッサは有効ですが、物理的 なメモリを増設したほうが対話処理の速度は格段に向上します。また、高速な グラフィックカードやバス、メモリを使えばサーバの性能は向上するでしょ う。 tar ファイルを展開したら、/etc/ld.so.conf か LD_LIBRARY_PATH 環境変数 に /usr/X11R6/lib を定義する必要があります(/etc/ld.so.conf のデフォル ト値は既にそうなっているはずです)。また、設定ファイルである /etc/XF86Config か /usr/X11R6/lib/X11/XF86Config はホストの設定に基づ いて、適切な値を記述しなければなりません。理想的にはこの設定は XF86Setup か(何らかの理由で XF86Setup が動作しない場合に は)xf86configを使って行います。どうしても設定ファイルを手で書きたい場 合には、XF86Config.eg を雛型に、 README.Config をガイドラインに使って ください。 XF86Config ファイルの設定を間違えるとハードウェアを壊してし まうこともあるので、ドキュメントはちゃんと読みましょう。特にオンライン マニュアルや /usr/X11R6/lib/X11/doc ディレクトリにある他の README は必 ず読みましょう。 XFree86 には、X サーバから仮想端末へ、また仮想端末からサーバへ画面を切 替える機能があります。最初に X サーバを 起動するときは、XFree86 は利用 可能な最初の仮想端末(他のプロセスがオープンしていないもの)を自動的に見 つけ、その仮想端末上で X サーバを起動します。その仮想端末が使用不可の 場合、XFree86 はエラーメッセージを出して終了します。``vt'' という オプションを付けることによって、指定した仮想端末でサーバを実行できま す。ここで は使用可能な仮想端末の番号です(1 から始まります)。空い ている仮想端末がないときは、XFree86 は起動できません。通常は単に /etc/inittab ファイルで getty の1つを無効にすれば良いのですが、これを 行いたくない場合には仮想端末の数を増やすこともできます。仮想端末の数を 増やすには、include/linux/tty.h ファイル中の NR_CONSOLES の値を増や し、カーネルを再コンパイルします。 XFree86 が動作してしまえば、Ctrl-Alt- という組合せのキーを押すこ とで他の仮想端末に切替えることができます。ここで nn は切り替えたい仮想 端末の番号です。X サーバに戻るときは、サーバが使っている仮想端末の番号 を表わす適切なキーの組み合わせを押します。デフォルトでは、この組み合わ せは Alt- です。ここで、mm はサーバが動いている仮想端末の番号で す(この番号はサーバ起動時に表示されます)。この仮想端末はサーバを起動し た仮想端末ではないことに注意してください。 注意: kbd-0.81.tar.gz (または新しいバージョンの kbd パッケージ)に含ま れる `loadkeys' コマンドを使ってテキストモードのキー割り当てを再定義す ることができます。これを使えば、Ctrl-Alt- の動作を XFree86 サーバ 上での動作と同じにすることができます。 サーバを終了させるとサーバを起動した仮想端末に戻りますが、もしサーバを 起動した仮想端末が死んでしまったときは、手動で戻さなければなりません。 未だに相性の悪いグラフィックスカードとマザーボードがあり、XFree86 から テキストモードに戻るとテキストフォントが元に戻らないことがあります。こ のような時は、svgalib というパッケージに入っている runx というスクリプ トを実行するとよいでしょう。 現在のXFree86 サーバは、起動時にカーネルに対して問い合わせを行い、現在 有効になっているキー割り当てを取得します。この割り当てはカーネルをコン パイルしたとき設定される初期値か、または `loadkeys' ユーティリティに よって書き替えた値になります。必ずしも全てのキーを割り当てることはでき ません。具体的には、サーバはカーネルに依存したものや複数のキーシンボル の組み合わせ、無効なキーを割り当てることはできません。その他のキーは全 て X に置ける同等のキーに変換されます。XFre86 のサーバは、4種類のモ ディファイアマップ(シフトしてない状態、シフト状態、モードスイッチを押 していない状態と、モードスイッチを押している状態)しか使うことができな い点に注意してください。モードスイッチがどのキーであるかによって (これ は XF86Config で設定可能で、初期値は Alt キーです)、 XFree86 はこれら のテーブルをキーマップに読み込みます。これは、Linux のモードスイッチに 左コントロールキーの様な特定のキーを使っている場合、これを X では割り 当てられないことを意味します。 5. ディスプレイマネージャ xdm のインストール xdm は動的にリンクされているので、xdm のバイナリ配布物をアメリカ国外へ 配布しても輸出制限には引っかかりません。xdm のバイナリは DES の暗号化 プログラムを含んでいないからです。従って現在、バイナリパッケージに xdm が含まれています。 xc/lib/Xdmcp/WrapHelp.c というファイルが XFree86-3.3 のソースに含まれ ていないので、XDM-AUTHORIZATION-1 はサポートされていません。これをサポ ートするためには WrapHelp.c を入手し、xf86site.def ファイルに HasXdmAuth を設定した後で xdm を再構築する必要があります。 WrapHelp.c はアメリカ国内にあります。詳細は ftp.x.org:/pub/R6/xdm- auth/README をご覧ください。 ディスプレイマネージャを起動するには、root ユーザでログインしてコンソ ールから ``xdm -nodaemon'' と入力してください。 コンソールの getty を無効にし、 /etc/inittab を変更することによりブー ト時に自動的に xdm を起動することができます。設定の細かい部分は使用し ている Linux 配布物の xdm の設定によって異なるので、そちらの文書で確認 してください。 xdm バイナリ配布物はシャドウパスワードと普通のパスワードのシステムの両 方で動作するでしょう。 $XFree86: xc/programs/Xserver/hw/xfree86/doc/Japanese/README.Linux,v 3.4.2.3 1999/11/26 15:23:04 hohndel Exp $ $XConsortium: Linux.sgml /main/6 1996/10/28 04:47:37 kaleb $ 6. 日本語訳について 日本語訳は X Japanese Documentation Project が行いました( 翻訳(XFree86 3.2): 岡本一幸 , 更新(XFree86 3.3.3.1 対応): 藤原輝嘉 , 校正: 金田浩司 , 更 新(XFree86 3.3.4 対応): 藤原輝嘉)。問題点の指摘やご意見は藤原まで御連 絡ください。原文の著作権は XFree86 プロジェクト社にあり、日本語訳の著 作権は X Japanese Documentation Project にあります。