付録 E. ドライバメディア

E.1. なぜドライバメディアが必要なのでしょうか?

Red Hat Enterprise Linuxのインストールプログラムがロードしている時点で、 画面がドライバメディアを要求してくることがあります。 このドライバメディア画面は次のようなパターンでよくでてきます。

E.1.1. ドライバメディアとは何?

ドライバメディアは、インストールプログラムによるサポートの有無にかかわらず ハードウェアに対してサポートを提供します。ドライバメディアには、 Red Hat提供のドライバディスケットやイメージ、 インターネットで見つけたドライバから自作したフロッピーやCD-ROM、 ハードウェアメーカーがハードウェアに添付しているディスクやCD-ROM、 などがあります。

Red Hat Enterprise Linuxをインストールするために特定デバイスにアクセスが必要な場合に ドライバメディアを使用します。ドライバは、ネットワーク(NFS)インストール、 PCMCIAまたはブロックデバイスを使用したインストール、 標準以外のCD-ROMドライブや最新のCD-ROMドライブ、SCSIアダプタ、NIC、 その他一般的ではないデバイスなどに使用されます。

注意注記
 

Red Hat Enterprise Linuxをインストールするのにサポートされていないデバイスが 不要なら、そのままインストールを続行し、インストールが完了した時点で新しい ハードウェアのサポートを追加します。

E.1.2. ドライバメディアの入手法

ドライバイメージはいくつかのソースから取得することができます。 Red Hat Enterprise Linuxに含まれている場合もありますし、ハードウェアメーカーやソフトウェアメーカー のウェブサイトから入手することもできます。システムがこれらのドライバのいずれかを 必要とする可能性があると思われる場合には、Red Hat Enterprise Linuxインストールを開始する前に ドライバディスケットかドライバCD-ROMを作成してください。

x86ベースのシステムを使用しているユーザーの場合、Red Hat Enterprise Linux CD-ROM 1に数多くのドライバ(一般的なものからあまり知られていないものまで) を含むドライバイメージが入っています (images/drvnet.img — ネットワークカードドライバ、 images/drvblock.img — SCSIコントローラ用ドライバなど)。

ティップヒント
 

また、ネットワークファイル経由でドライバディスクイメージを使用することもできます。 linux ddブートコマンドの代わりに、 linux dd=urlコマンドを使用します。 urlの部分には、使用するドライバイメージのHTTP、FTP、NFS などいずれかのアドレスを入れます。

専門的なドライバ情報をさがすためのオプションは以下のRed Hatのウェブサイトにあります。

http://www.redhat.com/support/errata/ 

Bug Fixesと呼ばれるセクションでは、時々、Red Hat Enterprise Linuxのリリース後に、 インストールプログラムや Red Hat Enterprise LinuxのCD-ROM 1のドライバイメージにすでに入っている ドライバでは動かない、人気のあるハードウェアが利用できるようになることがあります。そのような場合、Red Hatのウェブサイトにドライバイメージヘの リンクがあることがあります。

E.1.2.1. イメージファイルからのドライバディスクの作成

ディスケットに書き込む必要があるドライバイメージがある場合、 DOSあるいはRed Hat Enterprise Linuxで実行できます。 Itaniumシステムでは、ディスケットはLS-120にする必要があります。

Red Hat Enterprise Linuxを使用してドライバディスクイメージからドライバディスクを作成:

  1. フォーマット済みのブランクのディスク(または、ItaniumシステムのユーザーはLS-120ディスク) を一番目のディスケット(またはLS-120)ドライブに挿入します。

  2. drvnet.imgのような ドライバディスクイメージを持つ同じディレクトリから、ルートとして dd if=drvnet.imgof=/dev/fd0 と入力します。

DOSを使用してドライバディスクイメージからドライバディスクを作成

  1. フォーマット済みのブランクのディスク(または、ItaniumシステムのユーザーはLS-120ディスク) をディスケットドライブに挿入します。

  2. drvnet.imgのようなドライバ ディスクイメージを含んでいる同じディレクトリから、コマンドラインに d:\dosutils\rawritedrvnet.img a: とタイプします。d: とはCD-ROMデバイスがあるドライブの名前です。

E.1.3. インストール中にドライバイメージを使用する

PCMCIAデバイスインストール中またはNFSインストール中に、 ドライバイメージを使用する必要がある場合、 インストールプログラムは必要な時点でドライバ(ディスケット、CD-ROM、 ファイル名としての)を挿入するよう要求してきます。

しかし、Red Hat Enterprise Linuxインストールプログラムにそのドライバディスクをロードさせ、 インストールの処理中に使用するよう明確に指示しなければならない場合が いくつかあります。

例えば、作成したドライバディスクを正確にロードするには、 Red Hat Enterprise LinuxのCD-ROM 1(または インストールブートディスク)からブートして インストールのプロセスを開始します。 x86ベースのシステムでは、x86かx86-64のシステムを使用する場合、 boot:プロンプトでlinux ddと入力します。 インストールプログラムの起動についての詳細は、項4.3.1を参照してください。 Itaniumシステムでは、Shell>プロンプトで elilo linux ddと入力します。 インストールプログラムの起動についての詳細は、項4.3.2 を参照してください。

Red Hat Enterprise Linuxインストールプログラムがドライバディスクを挿入するよう要求します。 インストールプログラムがドライバディスクを読み込むと、ドライバディスクは、 インストール過程の後の方で検知されるハードウェアに対するドライバを適用 することができます。