付録 A. 現在のシステムのアップグレード

この付録は典型的なRed Hat Enterprise Linux 3のアップグレードについて 簡単に解説します。

注意注記
 

現在、x86システム上で Red Hat Enterprise Linux 2.1を使用している場合、アップグレードを行なうことができます。

アップグレードはx86プロセッサ上でのRed Hat Enterprise Linux系列でサポートされていますが、 データのバックアップをしてから以前のRed Hat Enterprise Linuxインストールの上に 本Red Hat Enterprise Linuxリリースをインストールする方が整合性があることがあります。 この推奨再インストールの方法は、システムに最大の安定性を与えるのに役立ちます。

アップグレードを実行するには、次のコマンドをブートプロンプトで入力します。

linux upgrade

A.1. アップグレードとは

Red Hat Enterprise Linux 3のインストールプロセスには、 Red Hat Enterprise Linux 旧バージョン( x86用のRed Hat Enterprise Linux バージョン 2.1など) からのアップグレード機能が含まれています。

システムをアップグレードすると、モジュール式の2.4.x カーネルと、現在システム上にインストールされているパッケージ の更新版がインストールされます。

アップグレードプロセスを実行した場合、既存の設定ファイル は.rpmsaveという拡張子を付けて保存 されます(たとえばsendmail.cf.rpmsave)。 アップグレード中に実行された操作を示すログが /root/upgrade.logに作られます。ソフトウェアが 進化するにつれて、設定ファイルのフォーマットが変化すること もありますので、変更内容を組み込む前に、元の設定ファイルと 新しいファイルを注意深く比較する必要があります。

注意注記
 

システム上のデータは すべて必ずバックアップしておいた方がよいでしょう。 例えば、アップグレードしたりデュアルブートシステム を構築する場合、ハードドライブ上にある保存して おきたいすべてのデータは必ずバックアップすべきです。 誤ってすべてのデータを喪失する恐れがあるからです。

アップグレードパッケージの中には、正しく動作するため 他のパッケージもインストールする必要があるものがあります。 アップグレードするパッケージをカスタマイズすることにした 場合は、依存の問題を解決する必要があるかもしれません。 アップグレードするパッケージをカスタマイズしない場合は、 アップグレードの手順で依存関係の問題を処理します。ただし、 システム上に存在しないパッケージを追加インストールする 必要があるかもしれません。

システムにどのようなパーティションを作るかによって、 アップグレードプログラムは、swapファイルを追加するように 要求してくるかもしれません。アップグレードプログラムが、 RAMの2倍のサイズであるswapファイルを検出しない場合 は、新しいswapファイルを追加したいか聞いてきます。システム に十分なサイズのRAMがない場合は(128MB未満)、このswapファイル を追加することを推奨します。