メール転送エージェント (MTA) は、電子メールの送信に欠かせません。 Evolution、Mozilla Mail、 Mutt、などのメールユーザーエージェント (MUA)は、電子メールを読んだり書いたりするのに使用します。 ユーザーがMUAから電子メールを送信するとき、そのメッセージはMTAに渡され、 さらに一連のMTAに渡されてから送信先に届けられます。
ユーザーがシステムから電子メールを送信するつもりがない場合でも、自動化されたタスクやシステムプログラムで/bin/mailコマンドが使用されて、ログメッセージが記録された電子メールがローカルシステムのrootユーザーに送られることがあります。
Red Hat Enterprise Linux 3には、SendmailとPostfixという2つのMTAがあります。 両方のMTAがインストールされている場合、sendmailがデフォルトのMTAになります。 メール転送エージェント切替を使用すると、システムのデフォルトのMTAとして sendmailかpostfixのいずれかを選択することができます。
テキストベースでメール転送エージェント切替を使用したい場合は、 redhat-switch-mail RPMパッケージがインストールしてある必要が あります。グラフィックバージョンを使用する場合は、redhat-switch-mail-gnome パッケージがインストールされている必要があります。 RPMパッケージのインストールについての詳細は、 パートIIIを参照してください。
メール転送エージェント切替をスタートするには、パネル上のメインニューボタンを 選択して システムツール => その他のシステムツール => メール転送エージェント切替と進みます。あるいは、シェルプロンプト(例えば、XTerm又はGNOMEターミナル)で redhat-switch-mailと入力します。
X Window Systemが実行されている場合は、プログラムが自動的に検出します。実行されている場合、図41-1に示すように、プログラムはグラフィカルモードで起動します。Xが検出されない場合、プログラムはテキストモードで起 動します。メール転送エージェント切替を強制的にテキストモードで起動するには、redhat-switchmail-nox コマンドを使用します。
MTAの変更にOKを選択すると、その選択されたメールデーモンの ブート時起動が有効になります。そして選択されていないメールデーモンは無効となり、 ブート時に開始されません。選択したメールデーモンがスタートして、他のメールデーモンが 止まることになります。このように変更はすぐに反映されます。
電子メールのプロトコルとMTAに関する詳細は、Red Hat Enterprise Linux リファレンスガイドを参照してください。